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手回し発電機で動く歩行ロボット

夏休みに遊びに来る4歳の孫におもちゃを作りました。

この作品を作る切っ掛けは、先日7月9日(土)に毎日放送テレビで放映された「三度の飯よりアレが好き」
姫路市の上橋智恵さんが出演され、電子工作や3Dプリンターを使った作品が沢山紹介されました。
作品の冒頭に紹介されたのが、TTモータを使った発電機と二足歩行ロボットでした。
5~6年前に買ったTTモータが使わずに残っているのを思い出し、月末に孫がやって来るので手持ち部品を集め
早速、CNC加工の設計から始めて3日間で作り上げました。 ヒントを頂いた上橋さんに感謝いたします。

先ずは動画をご覧下さい


TT-Robot1.jpg

設計・組み立て図 何れの画像もクリックすると拡大します。
このロボットは、2組のTTモータの片方を発電機として使い、ロボット側のモータを回転させる仕組みです。
尚、使用したTTモータには減速比が1:48の標準品を使いました。
モータの取り付けにはM3ビス、その他の部品取り付けには2X8㎜のタップタイトを使いました。
可動部は、アクリル板に3.2㎜の穴を開け、外径3㎜のアルミチューブを3.2㎜の長さに切断してタップタイトにて
M2平ワッシャー介して固定しています。
発電機側は、厚さ10㎜のヒノキ板を加工したグリップにTTモータをネジ止めしただけですが、ロボット側と連結する
平行線が抜けないように、インシュレータで固定するための2㎜径穴を2つ開けています。
TT_Motor_Robot _kumitatezu

厚さ5㎜アクリル板の切削パーツ図
CNC加工用のDXFファイルを用意しましたが、DXFファイルをブログに添付出来ないのが残念です。
コの字型部品が左右の足です。
四角い部品がスライド部のスペーサーで、左右のネジ穴の大きさが異なります。
丸い3個の部品が発電機のハンドルボスとロボット側のクランクホイールで、同じサイズです。
何れも外径22㎜で、中心から15㎜の位置に1.7㎜径の貫通穴を対角に設けています。
発電機のハンドルのボス側は、モータ軸が入る穴を2.5㎜のポケット加工を行い、中心穴は2㎜でモータ軸に
タップタイトを使って固定して抜け止めをしています。
ハンドルの先端側には、2.5㎜下穴にM3タップを切り、直径10㎜の丸棒を長さ13㎜に切断し、中央に3㎜の穴を
貫通してツマミを作り、M3X20㎜のボールトナットで軽く動くように固定しています。
t5_Parts.gif

厚さ3㎜アクリル板の切削パーツ図
2本の長い部品がロボットの脚で長さが76㎜、幅が10㎜です。
上部に3.2㎜幅、長さ約20㎜のスライド穴を設けています。クランクへの取り付け穴は下から25㎜の位置です。
上側の部品は、スライド部のアームで幅が22㎜、高さが33㎜で、t5スペーサーを介してモータのネジ穴へ35㎜長の
M3皿ネジを使って固定しますが、アームの片方には皿穴加工が必要です。また、反対側のアームとスペーサーに
2.5㎜径下穴にM3タップを切っています。 注意:鍋頭ネジやナットは脚部運動の邪魔になるので使えません。
t3_Parts.gif

参考画像1  のっぺらぼうの顔に黒いビニールテープを貼り付けてパンダ風に手直ししました。
TT_Robot4.jpg

参考画像2
TT_Robot3.jpg

RGB LEDの配線図
発電機のハンドルを右回転すると前進し、左回転するとバックします。発電機とロボットのモータは互いの電極を
1m程の赤黒平行線で直結しています。
下の配線図のA/Bとモータの電極を配線しますが、前進時にくまさんの目が緑色に点灯し、後退時に赤色に
点灯するようにしています。
発電機の回転方向により、極性が反転するので電圧降下の少ないショットキーバリアダイオードを使い、
LEDの発光が暗くなるのを防いでます。
5㎜径RGB LEDは、5年ほど前に50個入りを格安で買った物で型番が不明ですが、カソードコモンです。
ここでは、電流制限用の抵抗を省略しています。各部品の配線はくまさんの目の裏側で行いました。
LED_circuit.gif


追記:発電ロボットを調べたら、タミヤ模型から同じような製品が販売されていました。

皆さまの参考になれば幸いです。
by Paradise
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テーマ : 電子工作
ジャンル : 趣味・実用

超小型無限軌道車の紹介 その5

手のひらに載る超音波自律走行超小型無限軌道車
2015年7月の作品

MS_Robot0.jpg

その5(最終回)Arduino sketch(Sauce)例

この超小型無限軌道車は約4年前に作った作品ですが、赤外線リモコンでの手動操作がし難いなどの
問題があったので、少しスケッチを手直ししてみました。
超小型無限軌道車のスケッチ・ページを開きます。


あとがき
この作品を再現するには、サーボモーターの改造が一番のネックだと思います。タミヤなどの規制部品を
使って作ることをお勧めします。Arduinoのスケッチなどは応用できると思いますので活用してください。

最後にもう一度動画を掲載します。




皆様の参考になれば幸いです。
2019.05.14  by Paradise

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超小型無限軌道車の紹介 その4

手のひらに載る超音波自律走行超小型無限軌道車
2015年7月の作品

MS_Robot0.jpg

4)使用する赤外線リモコンについて

テレビやビデオデッキ用の赤外線リモコンを使うことも可能ですが、数百円で下記のような小型の
赤外線リモコンが通販で入手出来ます。このキットには赤外線受信用モジュールが付属していて
Amazonにて購入が可能です。
IR_remote_control.jpg

赤外線リモコンのメーカーや機種によって送信CODEが異なります。そこで、下記のsketchを
ArduinoIDEにコピーしてマイコンへ書き込み、赤外線リモコンのCODEを調べます。
押されたボタンに対応した受信CODEがシリアルモニターに表示されるので、そのを記録します。
このsketchでは、赤外線受信モジュールの入力ピンを6番としてますが適当に変更が可能です。
テストには赤外線リモコン送信機、Arduino uno等、赤外線受信モジュール、ブレッドボードなどが
必要です。

CODE解析sketch
#include "IRremote.h" // use the library
int receiver = 6; // IR receiver to Arduino digital pin 6
IRrecv irrecv(receiver); // create instance of 'irrecv'
decode_results results;
void setup()
{
Serial.begin(9600); // for serial monitor output
irrecv.enableIRIn(); // Start the receiver
}
void loop()
{
if (irrecv.decode(&results)) // have we received an IR signal?
{
Serial.println(results.value, HEX); // display it on serial monitor in hexadecimal
irrecv.resume(); // receive the next value
} // Your loop can do other things while waiting for an IR command
}

先に紹介しました赤外線リモコン送信機の受信CODE
因みに今回使用する7個のボタンのCODEは次の通りでした。
↑(前進)=FF629D、←(左旋回)=FF22DD、↓(後退)=FFA857、→(右旋回)=FFC23D
OK(停止)=FF02FD、*(自律走行)=FF42BD、#(手動走行)=FF52AD

SHARP AQUOSのテレビ用リモコンの場合は次の通りでした。
↑(前進)=F148EA81、←(左旋回)=F148EB80、↓(後退)=F1480481、→(右旋回)=F1481B8F
決定(停止)=F1484A8B、青色ボタン(自律走行)=F1480148、赤色ボタン(手動走行)=F1488140

次回はその5 Arduino sketch(Sauce)例です。


皆様の参考になれば幸いです。
2019.05.13  by Paradise

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超小型無限軌道車の紹介 その3

手のひらに載る超音波自律走行超小型無限軌道車
2015年7月の作品

MS_Robot0.jpg
3)マイコン基板の製作と取り付け
基板の回路図
私は、形や大きさを自由にデザイン出来るユニーバーサル基板にマイコンATMega382Pを使いましたが、
超小型Arduino nano互換機が通販で数百円で入手できる時代なのでこれを使う方法があります。
US1_sensor_servo_robot.gif

先に完成したフレームにサーボ―モーターやマイコン基板を組み込みます。
MS_Robot2.jpg

ユニバーサル基板に組み立てたマイコンATMega382P
MS_Robot3.jpg

マイコン基板の取り付け
MS_Robot4.jpg

完成した超小型無限軌道車
MS_Robot5.jpg

その4 赤外線リモコンへ続きます。


皆様の参考になれば幸いです。
2019.05.12  by Paradise

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超小型無限軌道車の紹介 その2

手のひらに載る超音波自律走行超小型無限軌道車
2015年7月の作品
MS_Robot0.jpg

2)フレームとローラーの製作

H型フレームの加工図
厚さ5㎜のアクリル板をCNC加工して作りました。真ん中のフレームは2枚重ねです。
Frame1.gif

ローラー内輪加工図
5㎜厚アクリル板をCNCで切削します。
外径34㎜、センター内径6.1㎜、小さい穴径4個は内径2.2㎜、大きい穴4個は内径6㎜(内輪合計4個)
Wheel1.gif

ローラー外輪加工図
2㎜厚アクリル板(ここでは黄緑色を使用)をCNCで切削します。
外径38㎜、センター内径6.1㎜、小さい穴径は2.2㎜、大きい穴4個は6㎜(外輪合計8個)
注意:内輪と外輪はアクリル用接着剤を使って接着しますが接着前にセンターがずれない様に
センター穴に基板用丸スペーサーを挿入し、大きい穴4箇所にM6のボルト・ナットで借り固定します。
Wheel2.gif

フレームとローラーの組み込み立て図
フレームのローラー取り付け穴は2.5mmの下穴にM3タップを切ってます。
全てのローラーはフリーホイールとなります。真鍮スペーサーと外輪内径の隙間で軽く回転することを
確認してください。
Wheel3.gif

フレームとローラーとモーターの配置図
駆動輪にサーボモーターの動力を伝えるために、サーボモータ付属のサーボホーンを使いました。
一文字タイプの左右5穴の真ん中の穴を2㎜のドリルで広げ、M2×15のボルトナットで固定します。
この2㎜のボルト先端が、ローラーの小さい穴2.2㎜の対角に入ります。(画像右下参照)
Frame2b.gif

製作は画像を参考に現物合わせで行って下さい。
モーターを固定するため、アクリル板にインシュロックタイと両面テープを使ってモーターを留めてます。
クローラー用Oリングは1AP-65 線径5.7㎜リング内径64.6㎜を使用。
下:完成したフレーム
MS_Robot1.jpg

その3 マイコン基板の製作と組み込みへ続きます。


皆様の参考になれば幸いです。
2019.05.11  by Paradise

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超小型無限軌道車の紹介 その1

手のひらに載る超音波自律走行超小型無限軌道車
2015年7月の作品

マイクロサーボモーターSG90を連続回転に改造し、駆動用モーターに使った超小型の無限軌道車を作りました。
超音波センサーHC-SR04をSG90を使って左右に首振りして障害物を感知、避けながら進みます。
MS_Robot0.jpg

先ずは、動画をご覧ください。


1)マイクロサーボSG90の改造
マイクロサーボモーターSG90を連続回転にするための簡単な改造が必要です。
改造は自己責任でお願いします。初めての方は写真を撮りながら進めて下さい。
①先ず、銘板と検査シールを剥がし、サーボモーター本体裏側の4本のネジを外すと本体が三つに分かれます。
②上部カバーを外すと4個のプラスティックギアが見えますが、ギアの位置を覚えておきます。
 良く似たギアがありますが、ポテンションメーターのシャフトとカウンターシャフトは太さが異なり、
ギアのピッチも異なるので間違うことは無いと思います。
 ファイナルギア(サーボホーンの付くギア)は、ポテンションメーターのシャフト上部に固定されていますが、
ギアを強く回すと簡単に外れます。
③ファイナルギア下側付いてるストッパー用突起をニッパー等で切り取り、バリも取り除き綺麗に仕上げます。

ストッパー用突起の切り取り
SG90_1.jpg

④ポテンションメーターのシャフトとファイナルギアが軽く回るようにギアの内径を少し広げます。
 1.4mm径のドリルが有れば簡単に広げられるが、ポテンションメーターのシャフト先端部をヤスリとペーパーで
少し細くする方法もあります。
 何れの場合もファイナルギアを固定するためにシャフト先端に付けられた傷を修正する必要が有ります。
⑤今度はマイコン等の信号源からサーボ角度が中央90°の停止信号を入力し、モーターの回転が停止する
位置にポテンションメーターの角度を合わせます。
この作業を正確に行わないと停止時にどちらかの方向へ少し回転するので注意が必要です。
 ポテンションメーターの位置が決まれば、瞬間接着剤などでポテンションメーターが動かないように固定します。
 (この作業はモーターに信号を入力後2分程経過し、モーターが安定してから行います。電源投入後は不安定です)
 この調整が面倒な方は、ポテンションメーターを5KΩのを半固定VRに置き換えて外付けにすると、外から微妙な
調整が簡単に出来ます。
⑥次に上部のギアを元通りに組み付け、(グリスの塗布を忘れずに)上下のカバーを4本のネジで締めれば完成です。

元通りに組み付けます
SG90_2.jpg

その2 フレームとローラーの製作へ続きます。


皆様の参考になれば幸いです。
2019.05.10  by Paradise

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Author:CNC_Paradise
木工・彫刻・機械工作・電子工作が
大好きで自作のCNCを使って工作を
楽しんでます。

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